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伝える本 受け手を動かす言葉の技術 山本高史

伝える本 受け手を動かす言葉の技術 

サチです。


伝える本  受け手を動かす言葉の技術」は

コピーライティングのエッセンスが書かれてある本です。

言葉とは何か?

そのエッセンスについて考察されています。

伝える本


著者は山本高史氏。

電通でコピーライターとして活躍し、2006年電通を退社し、株式会社コトバを設立。

トヨタ自動車、JR東日本、サントリー、資生堂などの広告を手がけ、TCC(東京コピーライターズクラブ)最高賞、クリエイターズオブザイヤー特別賞、日経広告賞、新聞広告賞など受賞歴多数。

クリエイティブディレクター、コピーライターとして、一線で活躍してきた言葉の専門家が、筆舌を尽くして伝えたかったことがこの1冊にまとめられています。

この10万字以上の文字で書かれていることは実は4行で書き尽くせる。

ということで著者がまとめた4行がこれ。

言葉は伝える技術である。

言葉の送り手が言葉の受け手を、自分の望む方向へ動かすための技術である。

それを叶える方法は、送り手が受け手の言って欲しいことを言ってあげることだ。

全てを決めるのは受け手だから、である。

以上。

あとはこの本を読んでください。

ということになるのですが、この4行がどういうことか、そしてどのようにすれば「伝える」ことができるのかについて、少しだけまとめてお伝えします。

送り手の言葉が受け手にどう働きかけるかについては、次の4つの段階があります。

1 送り手の言葉の存在が気づかれなかった。受け手の耳や目に届いていない。
  (→ そんな話、聞いてない)

2 受け手に届いたが、自分には関係ないと無意識に捨てられた。送り手のメッセージが理解されていない。つまり伝わっていない。
  (→ うるさいなぁ、あの選挙カー)

3 受け手に伝わったが、様々な理由で廃棄された。理解はされたが、メッセージが受け入れられなかった。
  (→ 好きだと告白されたが、フラれた)

4 受け手に伝わって、その言葉のメッセージが受け入れられた。少なくとも受け手の心は送り手の望む方向へ動いた。
 (→ 温泉旅行に誘われて、自分も行きたいと思った)

「言葉は伝える技術である」という場合、3の「伝わった」だけでは不十分で、4を実現して初めて「伝える技術」だと言えます。

つまり、「言葉の送り手が言葉の受け手を、自分の望む方向へ動かす」ことができて初めて、「言葉は伝える技術である」と言えるわけです。

言葉は受け手に伝わって初めて意味を持つわけなのですが、それでは3と4を分かつものはなんでしょうか?

「言葉の送り手が言葉の受け手を、自分の望む方向へ動かす」ことができるかどうかは、どこで決まるのでしょうか?

例えば、広告というものは、受け手はそもそも聞きたくないものなので、テレビドラマで広告になると、みんなトイレに立ったりしますし、テレビの録画機能には広告を飛ばす機能がついていたりします。

そんな広告を受け手に伝えるにはどうするか?

その伝わる言葉と伝わらない言葉を隔てるものは何でしょうか?

それは受け手にとっての「ベネフィット」があるかないかです。

つまり、受け手にとって「得なこと」があれば、その方向に動こうと思えるわけです。

つまり、「それを叶える方法は、送り手が受け手の言って欲しいことを言ってあげることだ」というのは、受け手にとってベネフィットとなることを言ってあげることができるかどうかです。

しかも、それは受け手にとってのベネフィットである必要があり、送り手にとってのベネフィットではありません。

そこで送り手が受け手を自分の望む方向に動かすためにすべきことは、まず受け手にとってのベネフィットが何かを知ることです。

そのためには送り手が受け手になって、その気持ちがわかるようになればいいわけなのですが、言うは易く行うは難し。

もしそれが簡単にわかるようであれば、男女関係はもっとシンプルになっているはずです。

「女性は金星から。男性は火星から」なんていう本がベストセラーになることもなかったでしょう。

そこで、少しでも送り手が受け手の気持ちを理解するにはどうすれば良いのでしょうか?

著者は自分のプレゼンの時には、次の4つのステップを心がけているとのことです。

1) 主観に左右される言葉は使わない。
  「ちゃんと」とか「カッコいい」とか「感動的」とか「面白い」とか言っても、何が「ちゃんと」で、何が「カッコいい」のか、何が「感動的」で、何が「面白い」かはそれぞれの主観で判断されるので、意味がありません。

2) 受け手の判断の尺度をあらかじめ明確にする。
   言葉にしたメッセージやアイデアを評価するのは、受け手の尺度なので(送り手の言葉は発された途端受け手のもの)、何を持って成否を図る尺度にするか、どのような価値観や判断基準を持っているかをまず受け手に聞く必要があります。聞くことができなければそれを想像する必要があります。

3) 受け手と同じ言葉を使う。
   言葉が伝わる条件は、その言葉の意味を送り手と受け手が共有していることが大切です。

4) 受け手の状況を把握して、ベネフィットを提案する。
   つまり、まず受け手の状況を的確に把握して、自分が受け手だったらと考えることによって受け手の尺度を共有して、自分に約束するように、受け手にベネフィットを約束する、ということになります。

  そこで「受け手の尺度を共有」するためには、受け手の状況と自分の状況との「共有エリア」を見つけることが必要です。ここでいう「共有エリア」とは送り手と受け手の、事情や、経験や、記憶や、気持ちなどの重なる部分です。
  
  そして送り手がその受け手の状況の「共有エリア」に立つことができた時に、「僕はあなただ」ということができるようになります。

  つまり、受け手は送り手になることができるのです。

  そのためには「想像力」が必要になります。

  その想像力の源泉は経験のデータベースにあるので、その経験のデータベースを広く、深く、大きく養うことが大切にもなってきます。

  そのような経験があってこそ、「受け手の状況での経験の共有」ができて、その痛みや喜びを共有することができるようになるからです。

 4行目の言葉は、「全てを決めるのは受け手だから、である」。

 送り手が受け手と同じ「共有エリア」に立つことができれば、送り手は受け手のベネフィットがわかるようにもなり、受け手を自分の望む方向へ動かすことが可能になります。

 「受け手を動かす言葉の技術」とは、まさにコピーライティングそのものですね。

音声はこちら


 それでは、今日もベストな1日を!

佐智



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